プロトコルは、ネットワーク通信においてデータを正確にやり取りするための”約束事”や”ルール”の集合を指します。
通信が成立するためには、送り手と受け手が共通のルールを理解している必要があり、プロトコルはその役割を担います。
本記事では、プロトコルの基本的な概念や種類、OSI参照モデルやTCP/IPといった代表的な仕組みについて解説します。
プロトコルについて紹介します
- プロトコルとは
- 代表的なプロトコルの例
- OSI参照モデルとは
- TCP/IPとは
プロトコルとは
プロトコルは、ネットワーク通信においてデータを正確にやり取りするための”約束事”や”ルール”の集合を指します。
通信が成立するためには、送り手と受け手が共通のルールを理解している必要があり、プロトコルはその役割を担います。
アナログ世界のヒトの活動でのプロトコルは、言語です。
日本人同士では、日本語で会話できますが、日本人とその他の言語圏の方の母国語同士で
は、言語がことなるため、会話が成り立ちません。
プロトコルは、お互いが認識できる言語や文法でやりとりする仕組みです。
ネットワーク通信を例にとると、プロトコルはデータの送信元と受信先がどのようにやり取りするかを決めるルールです。
プロトコルの規定で必要な決まりごとの例を紹介します。
データの形式
どのような形でデータを送るかを規定する必要があります。
送受信したデータが、文字列か数値かでも扱い方が異なるので、プロトコルで規定します。
通信手順
送信と応答のタイミングや順序を規定する必要があります。
ネットワーク通信ができるコンピュータの間で、どちらがサーバー/クライアントであるか、どのような手続きを行うかをプロトコルで規定します。
エラーチェック
データの破損や予期せぬ事態が発生した場合のエラー処理について、プロトロルで規定します。
例として、普段私たちがウェブを利用する際には、HTTP(HyperText Transfer Protocol)というプロトコルが使われています。
プロトコルの種類
プロトコルにはさまざまな種類があり、それぞれ役割や目的が異なります。
主なプロトコルを紹介します。
プロトコル | 利用方法 |
---|---|
HTTP/HTTPS | ウェブページの表示やデータ送受信のためのプロトコル |
FTP(File Transfer Protocol) | ファイルの転送に用いられる |
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol) | メールの送信を管理するプロトコル |
DNS(Domain Name System) | ドメイン名とIPアドレスを対応させる |
IP(Internet Protocol) | データをインターネット上で転送するためのアドレス指定 |
OSI参照モデルとは
OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルは、ネットワーク通信のプロセスを7つの階層(レイヤー)に分けたモデルです。
各レイヤーに分けて役割が定義されており、プロトコルが規定されています。
レイヤー | 利用方法 | プロトコル例 |
---|---|---|
アプリケーション層 | ユーザーが直接操作する部分 | HTTP/HTTPS DNS SMTP POP3 |
プレゼンテーション層 | データ形式の変換 | HTML JSON CSV |
セッション層 | ネットワークのセッションを管理 | NFS SMB |
トランスポート層 | データの信頼性やエラーチェック | TCP UDP |
ネットワーク層 | ネットワーク間でのデータ転送 | IP ARP |
データリンク層 | 同一ネットワーク内でのデータ転送 | PPP Ethernet |
物理層 | ケーブルや電波などの物理的なデータ転送 | Bluetooth NFC |
TCP/IPとは
TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)は、インターネットで最も広く使われているプロトコル群で、4つの階層に分かれています。
レイヤー | 利用方法 | プロトコル例 |
---|---|---|
アプリケーション層 | ユーザーが利用する通信プロトコル | HTTP/HTTPS DNS SMTP POP3 |
トランスポート層 | データの信頼性を保証 | TCP UDP |
インターネット層 | パケットのアドレス指定と転送 | IP ARP |
ネットワークインターフェース層 | ハードウェア間の通信を担う | Bluetooth NFC PPP Ethernet |
OSI参照モデルとTCP/IPの違いと利用方法
OSI参照モデルとTCP/IPは、レイヤーの区切り方が異なるので違ったように見えますが、対応する層があるので、比較してみます。
OSI参照モデル | TCP/IP | 処理領域 |
---|---|---|
アプリケーション層 | アプリケーション層 | アプリケーション |
プレゼンテーション層 | ||
セッション層 | ||
トランスポート層 | トランスポート層 | OS |
ネットワーク層 | インターネット層 | |
データリンク層 | ネットワークインターフェース層 | デバイス ドライバ NIC |
物理層 |
まとめ
プロトコルやOSI参照モデル、TCP/IPについて紹介しました。
- ネットワーク通信のルールを規定している
- OSI参照モデルは7つのレイヤーで分けたモデル
- TCP/IPのモデルは4つのレイヤーで分けたモデル
プロトコルは、ネットワーク通信のルールを規定しています。
プロトコルの種類やOSI参照モデル、TCP/IPのような通信モデルを理解することで、ネットワーク通信の基本的な仕組みを理解することができます。
各モデルを理解していれば、効率的なシステム設計やトラブルシューティングを行う際に役立ちます。